幹や枝がヒョロヒョロと伸びて、 「つる」っぽさを感じさせてる樹形です。 おとなりの木にもたれることが出来れば細い幹のままで、 ちゃっかり大きくなっていきます。
ただし、 個体差が大きく比較的小型の樹形をたもったままの木もあります。
ヒメコウゾ
キイチゴみたいな実のなる木
特徴
初夏に木苺のようなオレンジ色のみずみずしい実をつけます。 この実は甘みがあって食べられるのですが、 トゲトゲした食感がちょっと悩ましいです。
紙の原料とされた コウゾは、 ヒメコウゾとカジノキの雑種になります。
以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。
樹形
葉
先っぽが尾っぽのように細長くなる葉っぱです。 ふつう卵形ですが、 2~5つに深くさける葉っぱもあり、 若い枝ではよくさけます。
触ると両面に毛があり柔らかい感じがします。 この感じがヤマグワと違うので区別する手がかりになります。
花
4~5月、 雄花と雌花が同じ木に咲きます。 新しい枝の葉の付け根に雄花が咲き、 その上部にホヨホヨした赤紫色の毛の様なものを生やした雌花をつけます。
雌花と雄花の咲き始める時期がずれていて、 まず雌花が咲き始め、 後から雄花が咲き始めます。
実
6~7月、 可愛らしいキイチゴのような赤い実を付けます。 食べると甘味があるのですが、 トゲトゲした食感がありちょっと悩ましいです。
幹・枝
幹には細い縦の筋が入り、 横長の小さなブツブツが付きます。 1年目の枝には短い毛がたくさん生えますが、 やがて毛は落ちてスベスベになります。
冬芽・葉痕
おにぎりのような形の冬芽で、 芽鱗は2枚です。 葉痕はほぼまん丸で、 維管束痕も丸く並びます。 横から見ると、 枝からかなり飛び出しているのも特徴です。
名前の由来
木の高さや葉の大きさがコウゾに比べて小さ目なので、 小型を表す「ヒメ」を付けてヒメコウゾと名付けられました。
本来日本に自生していたのはヒメコウゾになります。
その他の情報
・ヒメコウゾとコウゾ(ヒメコウゾとカジノキの雑種)はとてもよく似ていて区別が難しいですが、 コウゾは雄花と雌花が別々の木に咲き、 実が付きにくいです。 また、 葉っぱが大き目で柄が長いです。
・ヤマグワとも似ていますが、 冬芽の形、 実の形で見分けることが出来ます。
・カジノキの葉も似ていますが、 カジノキは対生する枝がよく混じっていて、 枝に粗い毛が多く灰色がかった樹皮であることが見分けるポイントになります。