高さ4~10mの落葉高木で、 大きなものは16m程にもなるといわれます。
カジノキ
古くから和紙の原料にされてきた
特徴
元々東南アジアや中国の中南部原産の木で、 古くから和紙の原料として輸入され、 栽培もされてきました。 今では野生化している木もよく見られます。
和紙の原料と知られているコウゾは、 カジノキとヒメコウゾ雑種です。
葉は諏訪神社の神紋にも用いられ高貴な印象がありますが、 枝や葉に毛が多く「獣」を感じさせる一面もあります。
以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。
樹形
葉
葉柄が30~100㎜と長めで、 切れ込みがある葉と無い葉を付けます。 特に若い木は切れ込みがある葉を付けます。
表面は短い毛があり、 よくざらつきます。 裏は毛が多くフワッとした感じです。
互生に付きますが、 対生することがしばしばあります。
花
初夏に 雄花と雌花が別々の木に咲きます。 新しい枝の葉の付け根に咲き、 雌花は球形でホヨホヨした毛の様なものを生やします。 雄花はクリーム色の花びらで円筒形をしています。
実
雌木だけに実がなります。
直径3cmほどの球形の実を付けます。 夏に濃いだいだい色に熟します。
甘味があって食べられますが、 先端の朱色の部分に種が入っていて、 食べるとジャリジャリとした食感です。
幹・枝
灰色がかった樹皮で黄褐色の皮目があります。
新しい枝にはビロード状の毛が密生しています。
冬芽・葉痕
少し赤みのある三角帽子のような冬芽です。 目の高さで見られる実生の枝にはかたい毛が多くあり、 葉痕の両側にはカールしたお下げ髪のような托葉がついています。 維管束痕は多数あり、 お顔に見えたり見えなかったりします。
人との関わり
葉は諏訪神社などの神紋や日本の家紋である梶紋の紋様のモチーフにされてきました。 また、 葉は七夕飾りの短冊の代わりとしても使われました。
樹皮は和紙の原料にされ、 実は漢方薬としてかすみ目や強壮に使われます。