21世紀の森と広場

セイヨウタンポポ

すっかり日本になじんだ西洋のタンポポ

  • 日本産のカントウタンポポより花の集まりの数が多くてぎっしり見える。
    花びら状の一つの花(舌状花)をよく見ると、 5枚の花弁がくっついている(合弁花)。
    写真 / htanaka

  • 花の集まり(頭花)を包むがくのような部分(総苞)の
    いちばん外側(総苞外片)が反り返るのが特徴
    写真 / htanaka

  • まだ寒い時期には茎が伸びずに低い位置で咲く。
    ロゼット状の葉が寒さ除けになるのでしょう。
    写真 / htanaka

  • 花は花粉がつかなくても種子をつくる(単為生殖)ので、 繁殖力が強い。
    畑一面がタンポポの綿毛で埋まっていた。
    写真 / htanaka

特徴

都市周辺の空き地などで増えていて、 都市化のバロメーターともいわれる帰化植物です。
タンポポは花びらのように見える一枚一枚が一つの花で、 まるく見えるのは花の集まりです。 花が終わるとくきは地面近くまで倒れ、 実が熟すと再び立って花の時より伸びて綿毛を広げます。 高い位置で風をより受ける工夫をしているのです。
実が赤っぽい外来のアカミタンポポもありますが、 セイヨウタンポポとの雑種が多いため見分けられません。 また、 日本のタンポポとの間の雑種も確認されており、 問題となっています。 外来種タンポポは日本の侵略的外来種ワースト100に選定されています。

            
タイプ : キク科の多年草 
大きさ : 高さ10~20cm 
花の時期 : 1~12月(一年中咲く、 春と秋に多く咲く)
生育場所 : 開けた緑地、 道脇、 空き地など
分布 : ヨーロッパ原産の帰化植物 日本全土  

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。 ​

体験・遊び

種が飛んだあとの茎をとって上下を切り、 片方をちょっとかんでから(苦いけど)息を吹きこむと音が出ます。 太さや長さで音程が変わるので試してみて。
セイヨウタンポポは、 野菜として持ち込まれたものが北海道から広がったという説があります。 苦味はありますが、 葉はサラダやサンドイッチに、 花はそのままてんぷらにして食べられます。 根をよく洗って乾燥させ炒ったものを煮出すと、 コーヒーのような味わいで、 しかもノンカフェインで薬効もあるそうです。  

執筆協力 : 田中ひとみ

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