クサノオウ

黄色い汁は薬か毒か?

  • 花弁4枚の花。
    がくは開花時に落ちるため、 開花した花にがくはない。
    写真 / 2022.4.7 茨城県筑波実験植物園 htanaka

  • 全体に毛が多い。 特につぼみは毛が目立つ。
    写真 / 2022.4.7 茨城県筑波実験植物園 htanaka

  • 葉は裏が白っぽく羽状に切れ込み先が丸い。
    写真 / 2022.5.4 茨城県筑波実験植物園 htanaka

  • 花後、 子房が伸びて3~4cmの長いさや状の果実になる。
    熟した果実ははじけて種子を散布し、 種子はアリが好むエライオソームをつけていてアリによって運ばれる。
    写真 / 2022.5.22 東京都高尾山 MasakoT

  • 写真 / 2022.5.4 茨城県筑波実験植物園 htanaka

特徴

春から夏にかけて4枚の花弁の黄色い花が目立ちます。
古くから薬草として用いられており、 乾燥させた生薬を「白屈菜(はっくつさい)」と呼びます。 民間では皮膚疾患の外用薬として用いられたため、 瘡(くさ、 皮膚病のこと)の王(おう)が名の由来だという説があります。
なお、 黄色い汁がでるので「草(くさ)の黄(おう)」と名がついたという説もあります。
有毒植物でもあるので注意が必要です。
  
タイプ : ケシ科の越年草
大きさ : 高さ30~40cm 花弁1~1.2cm
花の時期 : 5~7月
生育場所 : 草地や林縁、 道脇など明るい場所、 人里に多い
分布 : 北海道~九州、 東アジア

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。 ​

注意点

葉や茎をちぎると出る黄色い汁は有毒なアルカロイドを含むので、 皮膚の弱い人は要注意です。

執筆協力 : 田中ひとみ