イッポンワラビ

山菜として一本いただきます!

  • 山地の湿った林縁に多い。
    新芽は赤コゴミ、 アブラコゴミなどの名で知られる。
    写真 / 2023.8 北海道 S.Ikeda

  • 小さめの葉。
    全体は三角形の形状。
    写真 / 2023.9 群馬県 S.Ikeda

  • 根茎をやや短くはって葉を多く出す。
    群生していることが多い。
    写真 / 2023.8.25 北海道 S.Ikeda

  • 最下羽片。
    長めだが、 上の羽片よりは短めのことが多い。
    写真 / 2023.7 山梨県 S.Ikeda

  • 最下羽片の基部。
    小羽片には短い柄があり、 葉軸に接するものは小さい。
    写真 / 2023.7 山梨県 S.Ikeda

  • 葉軸の分枝点。
    写真 / 2023.7 山梨県 S.Ikeda

  • ここに肉質の小さな突起がある。
    シケチシダ類(シケチシダハコネシケチシダなど)共通の特徴。
    写真 / 2023.7 山梨県 S.Ikeda

  • 小羽片の基部。
    やや曲がったVの字形をしている。
    写真 / 2023.8 北海道 S.Ikeda

  • 葉裏。
    胞子のう群は円形から楕円形で、 シケチシダハコネシケチシダより短いものが多い。
    包膜がないのは3種共通の特徴。
    写真 / 2023.8 北海道 S.Ikeda

  • 葉柄。
    茶色い鱗片がまばらにある。
    写真 / 2023.8 北海道 S.Ikeda

  • 葉軸。
    茶色い鱗片が少しある。
    写真 / 2023.8 北海道 S.Ikeda

  • 新芽。
    山菜になり、 とても美味。
    ふつう葉柄が赤っぽいことから、 赤コゴミといわれる。
    コゴミと違って、 1本ずつ地面から新芽が出るのでイッポンとついたのかもしれない。

    写真 / 2023.9 群馬県 S.Ikeda

特徴

涼しい山地に生える、 やわらかくてみずみずしいシダ。 シケチシダに近縁で、 表の葉軸上に肉質の突起がある、 胞子のう群に包膜がないなど共通の特徴をいくつかもっています。 本種は葉形が三角形に近く、 羽片の切れ込みがより深く、 胞子のう群が円形または楕円形になります。 一本ワラビという変わった名前は埼玉県の方言に由来しているのだとか。
 
葉の長さ : 40~80cm
観察の時期 : 春~秋(夏緑性)
生える場所 : 山地の湿った林内や林縁
分布 : 北海道、 本州(広島以東)、 朝鮮、 中国北部、 極東ロシア

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。

山菜になる!

イッポンワラビの新芽は山菜になり、 東北地方を中心に古くから親しまれてきました。 山菜名で赤コゴミやアブラコゴミ、 一本コゴミなどと呼ばれています。
 
ちなみに赤コゴミは、 キヨタキシダの新芽と紹介されることも多いですが、 ほとんどの場合これは誤りであり、 イッポンワラビの新芽であると考えられます(詳しくはキヨタキシダのリンク先にて)。 単にコゴミ、 もしくは青コゴミという場合はクサソテツのことを指します。

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