キヨタキシダ

ファクトチェックが必要なシダ

  • 湿った林縁に多い。
    写真 / 2024.4 神奈川県 S.Ikeda

  • 根茎を短くはって、 葉を数枚出す。
    似たミヤマシダは長くはって群生する。
    写真 / 2024.5 神奈川県 S.Ikeda

  • 羽片。
    やわらかくて、 ツヤがない緑色。
    写真 / 2024.4 神奈川県 S.Ikeda

  • 最下羽片の基部。
    小羽片は似たミヤマシダヌリワラビよりも幅広い。
    写真 / 2024.4 神奈川県 S.Ikeda

  • 最下羽片の基部の柄は長い。
    ヤマイヌワラビヒロハイヌワラビはより短い。
    写真 / 2024.4 神奈川県 S.Ikeda

  • 葉裏。
    胞子のう群と包膜は三日月形で、 脈寄り。
    よく間違われるヌリワラビは脈に接するようにつける。
    写真 / 2024.5 神奈川県 S.Ikeda

  • 葉柄。
    黒っぽい鱗片が多い。
    株によっては濃い茶色のこともある。
    写真 / 2024.4 神奈川県 S.Ikeda

  • 葉軸。
    黒っぽい鱗片がまばらにある。
    写真 / 2024.4 神奈川県 S.Ikeda

  • 展開中の新芽。
    黒っぽい鱗片が多くついていて、 ふつう赤くない。
    食用とするには出てくる本数が少なく、 そもそも暖かい地域に多く分布するため、 本種の新芽を赤コゴミとするのは間違いの可能性が高い。 実際にインターネット上で「赤コゴミ」とされている写真を見てみると、 大半はイッポンワラビ、 SNSやブログではハコネシケチシダヤマイヌワラビミゾシダあたりが間違って載せられていることがあるが、 キヨタキシダっぽいものは見られなかった。
    写真 / 2024.4 神奈川県 S.Ikeda

特徴

低山でよく見られる三角形のシダ。 葉はやわらかくて丸みのあるように切れ込みます。 葉裏につく胞子のう群は三日月形をしていて、 葉柄に黒っぽい鱗片がたくさんつきます。 キヨタキの名前は、 京都の清滝に由来するという説があります。
 
葉の長さ : 30~80cm
観察の時期 : 春~秋(夏緑性)
生える場所 : 低山の湿った林縁
分布 : 北海道、 本州、 四国、 九州、 朝鮮、 台湾、 中国、 南アジア

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。

赤コゴミ=キヨタキシダの新芽 ではない!?

よく食べられているシダの新芽に「赤コゴミ」があります。 クサソテツ(コゴミ)よりも赤っぽいことからそう呼ばれ、 一般に「キヨタキシダの新芽」と紹介されることが多くなっています。 しかし、 この情報は誤っている可能性が高いです。
 
根拠の一つは、 キヨタキシダの新芽はふつう全体が緑色で、 葉柄に黒色からこげ茶色の鱗片が多くついていること。 これに対して、 市場や通販で売られている赤コゴミは葉柄にかなり赤みがあり、 そこにはうす茶色の鱗片がついています。 この特徴は、 「イッポンワラビの新芽」の方に一致します。 さらに、 キヨタキシダがほかのシダに混じって1株だけ点在して生えていることが多いのに対し、 イッポンワラビは単独で群生しやすいため、 こちらの方が食用や出荷用にまとめて採るのに適しています。
 
事実、 イッポンワラビは北日本に多く分布し、 東北地方を中心に赤コゴミやアブラコゴミと呼ばれ、 山菜として長く親しまれてきました。 近年になり、 何らかの理由でキヨタキシダと混同されるようになったと考えられますが、 その経緯については詳しくわかりません。
 
 
※本ページでもキヨタキシダの新芽は赤コゴミであるとする情報を流していました。 この場を借りてお詫びいたします。

  • イッポンワラビの新芽と比較。
    キヨタキシダは神奈川、 イッポンワラビは群馬で撮影。 産地の違いで多少個体差はあると思われるが、 明らかにイッポンワラビの方が赤コゴミの外見をしている。
    写真 / S.Ikeda

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