まっすぐに立って大きくなり、 高木になります。 葉が出る前に花が咲くので、 遠くから見ても存在や樹形がわかります。

キタコブシ
白い花は北国の春のシンボル

特徴
北海道から東日本の日本海側に分布するキタコブシは、 コブシよりも葉や花がやや大型です。 大木になり、 早春には樹全体が白い花でいっぱいになる「春告の木」です。 花の香りもよく、 葉を揉むと良い香りがします。
以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形
葉
真ん中より先が太くなる形をしています。 葉をもむと、 スーッとしたよい香りがします。
花
大きな6枚の花びらをもつ白い花です。 花の後ろにピロっと小さな葉っぱが1枚ついているのがチャームポイントです。 この特徴から、 同じ地域に生えるタムシバと区別できます。
実
モコモコとした形の実は、 手をグーにした拳のように見えます。 初め緑色の実はだんだん濃いピンク色になり、 完全に熟すと茶色くなります。 するとモコモコの1つ1つが割れて、 中から赤い実が糸で吊るされたように出てきます。
幹・枝
灰色がかった茶色で滑らかです。 若い枝は緑色〜黒っぽい色で、 ツルッとしています。
冬芽・葉痕
花芽はふわふわの芽鱗3枚ほどに包まれています。 1枚1枚が芽をすっぽり包む形のもので、 外側が一番ふわふわ、 中のものは薄くなっています。 それをくるり、 くるりと脱いでいき、 花びらが現れます。
人との関わり
花が咲くと、 春がきたことを実感させてくれる木。 つぼみは、 ハナが詰まっている時に煎じて飲むと効くといわれます。 スーッとしたさわやかな香りの枝葉は、 入浴剤としても使われます。
名前の由来
コブシの中でも北地に分布していることでキタとつきます。 「コブシ」の由来には、 つぼみの形が握りこぶしに似ているという説や、 赤く色づいた実を包むさやの形が握りこぶしに似ているから、 という説があります。
キタコブシには、 イトマキザクラ、 シロザクラ、 ヤマモクレンという別名もあります。
体験・遊び
葉をもんで、 匂いをかいでみましょう。 どんな気分になるかな?
落ちたての枝があったら、 枝を切って切り口の匂いをかぐのもよいですよ。
関わりが深い生き物
ヒヨドリ、 ムクドリ、 カラスなどが赤い実を食べにやって来ます。 また、 ヒヨドリはつぼみや花を食べてしまいます。
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