熱帯域を中心に分布するグループで、 11種ほどが知られています。 ヘゴやヒカゲヘゴなどを含むヘゴ科に近縁で、 木のように高く育つ「木生シダ」になる種類もあります。
ただ、 日本に1種のみ自生するタカワラビは幹を作らず、 高く育ちません。 そのため、 あまり目立たない存在ですが、 二枚貝状の包膜、 毛のびっしりつく葉柄基部など面白い特徴をいくつか持ちます。 ですので沖縄の森を歩くときは、 ぜひ見つけて観察してみてください。

タカワラビ
「金毛」をつける、 ヘゴ科のようでビッグなシダ
特徴
亜熱帯に分布する大きなシダ。 葉はツルっとした質感で、 細く尖るように切れ込んでいて、 裏が白っぽいです。 葉裏につく胞子のう群を覆う包膜は二枚貝状をしていて、 葉柄基部には赤茶色っぽい毛をびっしりつけます。 名前のタカは高く育つことに由来しますが、 ヘゴのような幹は発達させません。 また、 ワラビはシダの総称的意味があり、 山菜で有名なあのワラビと分類的に大きく異なります。
葉の長さ : 80~300cm
観察の時期 : 一年中(常緑性)
生える場所 : 林内の湿った斜面や川沿い
分布 : 琉球(沖永良部島以南)、 台湾、 中国南部、 南アジア、 インドシナ半島
※正確な種の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。