春になると道ばたや土手で見かける「ツクシ」と、 あとから生えてくる緑の「スギナ」。 別種の植物だと思われがちですが、 この2つは同じ植物の別々のパーツです。 まずは、 それぞれの役割の違いから見てみましょう。
食用になる、 いわゆる「ツクシ」は、 胞子を飛ばすことに特化した胞子茎です。 そのため、 胞子を飛ばすとすぐに枯れてしまいます。 一方、 あとから伸びてくる緑色の茎は栄養茎と呼ばれ、 秋まで長く残り、 主に光合成を行います。 これらは地下茎でつながっているため同じ種類です。 この植物全体に「スギナ」という正式な名前(標準和名)がついているので、 ツクシはスギナの一部分ということになります。
なお、 ツクシは春の訪れを知らせる存在で、 食べられることもあって親しまれています。 しかし栄養茎は、 庭などでよく群生し、 抜いても抜いても生えてくるため、 雑草としてひどく嫌われることが少なくありません。 同じ種類の植物なのに、 茎のタイプによって人の好みが分かれやすいところで、 スギナはなかなか面白い植物だといえそうです。
スギナ
胞子を飛ばす茎はおなじみの…
特徴
道ばたの身近なシダ植物。 早春にツクシと呼ばれるベージュ色の茎を出し、 てっぺんの胞子のう穂から胞子を飛ばします。 その後、 この茎が枯れたくらいから、 小さなスギの木のように枝分かれした、 光合成をする緑色の茎をたくさん出します。 繁殖力が強く、 一面を覆っていることもよくあります。
大きさ : 地上茎の高さ5~40cm、 茎幅2~4mm
観察の時期 : 春~秋(夏緑性)、 ツクシは早春
生える場所 : 開けた草地
分布 : 北海道、 本州、 四国、 九州、 屋久島、 種子島、 朝鮮、 中国、 モンゴル、 南アジア、 ロシア、 ヨーロッパ、 北米
※正確な種の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。
