オオベニシダ

ベニシダよりでかい…わけではない!?

  • 低地の林内に多い。
    写真 / 2024.5.22 神奈川県相模原市 S.Ikeda

  • 根茎を斜上させて葉を出す。
    ベニシダよりも小さめ。
    写真 / 2024.5.22 神奈川県相模原市 S.Ikeda

  • 葉先。
    やや急に細くなる。
    写真 / 2024.5.22 神奈川県相模原市 S.Ikeda

  • 羽片。
    表面はツヤがなくて黄緑色。
    写真 / 2024.5.22 神奈川県相模原市 S.Ikeda

  • 最下羽片。
    ここにベニシダ系の大きな特徴がある。
    写真 / 2024.5.22 神奈川県相模原市 S.Ikeda

  • 最下羽片の葉軸に接する下向きの小羽片は、 となりの小羽片と同じくらいで、 小さくも大きくもない。
    ベニシダは小さく、 オオイタチシダは大きくて長い。
    写真 / 2024.5.22 神奈川県相模原市 S.Ikeda

  • 葉裏。
    胞子のう群は円形で、 やや脈寄りにつく。
    包膜はCの形で、 ふつう紅色にならない。 紅色になるものは品種でホホベニオオベニシダという。
    写真 / 2024.5.22 神奈川県相模原市 S.Ikeda

  • 葉柄基部。
    中央が濃い茶色の鱗片が多い。
    ヒメイタチシダリョウトウイタチシダといい、 ミサキカグマの遺伝子が入っているものは鱗片がツートンカラーになる?
    写真 / 2022.7.31 神奈川県相模原市 S.Ikeda

  • 葉軸。
    中央が濃い茶色の鱗片がまばら。
    鱗片基部は袋状にふくらまない。
    写真 / 2024.5.22 神奈川県相模原市 S.Ikeda

  • 羽軸。
    鱗片基部は袋状にふくらまない。
    ベニシダは袋状にふくらむ。
    写真 / 2024.5.22 神奈川県相模原市 S.Ikeda

  • 新芽。
    黄緑色で、 ベニシダのように紅色ではない。
    茶色い鱗片に覆われている。
    写真 / 2024.3.30 千葉県松戸市 S.Ikeda

特徴

都市公園にも多い身近なシダ。 名前からいかにもベニシダより大きくなるかのような印象を受けますが、 実際にはむしろベニシダより小さいことが多いです。 そのほかベニシダと違って、 葉は光沢がなくて黄緑色っぽいです。
 
葉の長さ : 40cmくらい
観察の時期 : 一年中(常緑性)
生える場所 : 低地の林内
分布 : 本州、 四国、 九州、 朝鮮、 中国

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。 ​

ベニシダより小さい理由?

オオベニシダは遺伝子を用いた研究から、 遠い昔にベニシダ類とミサキカグマの雑種起源で生まれたと考えられています。
 
ミサキカグマは葉長10~30cmくらいと小さめで、 ツヤのない黄緑色をしていて、 葉の一番下の小羽片が長めなことが特徴です。 これを踏まえると、 オオベニシダがミサキカグマの遺伝子を含んでいることや、 ベニシダより小さいことに納得がいくかもしれません。