ヒメイタチシダ

黄色っぽくて姫のような優しさ

  • 低山の乾いた斜面に多い。
    写真 / 2023.3.17 愛知県新城市 S.Ikeda

  • 根茎を斜上させて葉を出す。
    写真 / 2023.6.11 千葉県松戸市 S.Ikeda

  • 横から見ると立体的に見える。
    葉の切れ込みは互いに重なる感じ。
    写真 / 2022.7.31 千葉県松戸市 S.Ikeda

  • 葉の表面。
    黄色っぽくて少し光沢がある。
    小羽片の先には鋸歯がある。
    写真 / 2022.7.31 千葉県松戸市 S.Ikeda

  • 葉裏。
    胞子のう群はやや葉のフチ寄りにつく。
    包膜はCの形で、 フチに突起がない。
    写真 / 2023.6.11 千葉県松戸市 S.Ikeda

  • 羽軸の鱗片の基部はふくらまない。
    小羽軸の鱗片の基部は袋状にふくらむ。
    写真 / 2023.6.11 千葉県松戸市 S.Ikeda

  • 葉柄基部。
    光沢のある黒い鱗片を多くつける。
    鱗片のフチはうすい色をしている。
    写真 / 2022.7.31 千葉県松戸市 S.Ikeda

  • 葉柄基部の鱗片。 フチのうすい色はヒメイタチシダやリョウトウイタチシダの特徴としてよく挙げられるが、 ほかのイタチシダ類にも見られることがあるため、 見分ける根拠としてはあまり推奨されていない。
    写真 / S.Ikeda

  • 葉軸。
    鱗片の基部は袋状にふくらまない。
    写真 / 2022.7.31 千葉県松戸市 S.Ikeda

  • 1枚の葉。
    切れ込みは互いに重なることが多い。
    葉先はあまり急に細くならない。
    写真 / S.Ikeda

特徴

西日本に多いシダ。 全体的な見た目はオオイタチシダに似ています。 本種の葉は黄色っぽくて切れ込みは互いに重なり合う感じにつきます。 葉柄基部の鱗片はテカリが強い黒色で、 フチが薄い色をしていることも特徴です。
 
葉の長さ : 30~90cm
観察の時期 : 一年中(常緑性)
生える場所 : 低山の林縁や林内
分布 : 本州(山形以南)、 四国、 九州、 朝鮮、 中国

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。 ​

ヒメイタチシダが分けられた!

ヒメイタチシダは近年になって関東の山地に多いリョウトウイタチシダという種に一部分けられました。 身近な種でいえば、 ヒメイタチシダはオオイタチシダ寄り、 リョウトウイタチシダはヤマイタチシダ寄りの見た目をしています。
 
これはどういうことかというと、 遺伝子の研究から
ヒメイタチシダ : オオイタチシダ(モトイタチシダ+ナンカイイタチシダ)+ミサキカグマ
リョウトウイタチシダ : ヤマイタチシダ(モトイタチシダ+イワイタチシダ)+ミサキカグマ
の雑種起源で生まれたと考えられていることからきています。