ホウビシダ

岩壁一面、 鳳凰の尾羽

  • 湿った岩場に生える。
    写真 / 2025.3 高知県 S.Ikeda

  • 根茎を長くはって葉を出す。
    写真 / 2025.3 高知県 S.Ikeda

  • 水の滴る岩壁に葉をたくさん垂らすことが多い。
    写真 / 2025.3 高知県 S.Ikeda

  • 葉先。
    細長く伸び、 大きな鋸歯がつく。
    写真 / 2025.3 高知県 S.Ikeda

  • 羽片。
    主に上側のフチに細かい鋸歯がある。
    基部上側はあまり耳状にならない。
    写真 / 2025.3 高知県 S.Ikeda

  • 最下羽片。
    あまり小さくはならない。
    写真 / 2025.3 高知県 S.Ikeda

  • 葉裏。
    胞子のう群をつける。
    写真 / 2025.3 高知県 S.Ikeda

  • 胞子のう群と包膜は楕円形。
    フチと脈の中間につく。
    ナンゴクホウビシダはフチ寄り、 ヤクシマホウビシダは羽片先の脈寄りにつく。
    写真 / 2025.3 高知県 S.Ikeda

  • 葉柄基部。
    濃い茶色の鱗片がつく。
    写真 / 2025.3 高知県 S.Ikeda

  • 葉軸。
    黒っぽくてツヤが強い。
    写真 / 2025.3 高知県 S.Ikeda

  • 根茎。
    長くはって、 青緑色。
    写真 / 2025.3 高知県 S.Ikeda

特徴

伝説の鳥「鳳凰(ほうおう)」の尾羽に例えられたシダで、 暖かい地域の薄暗くて湿った岩壁によく群生します。 葉先は細く伸び、 羽片は鳥のツバサのような形で、 葉裏に細長めの胞子のう群をつけます。
 
葉の長さ : 20~40cm
観察の時期 : 一年中(常緑性)
生える場所 : 湿った岩場や崖
分布 : 本州(関東南部以西)、 四国、 九州、 済州島、 中国

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。 ​

伊尾木洞

高知県東部に位置する伊尾木洞(いおきどう)は、 滴る崖一面にホウビシダなどが生える光景が見事で、 「シダ群落」として国の天然記念物に指定されています。 かの有名な植物学者の牧野富太郎博士もよく訪れていたとか。 海辺の市街地や駅からすぐ近くでアクセスしやすいので、 興味があればぜひ訪れてみよう!
 
ちなみに現地の看板では7種の見られるシダが紹介されていますが、 実際には40種ものシダが生えているのだとか。 実際に入口から滝までのわずか400mほどの距離で、 筆者が観察したものを希少種除いてリストアップすると、 シロヤマゼンマイ★、 キジノオシダオオキジノオ★、 タカサゴキジノオフモトシダホラシノブマツサカシダ★、 アマクサシダタチシノブホウライシダ★、 イワガネゼンマイクルマシダ★、 コウザキシダ、 ホウビシダ★、 ミゾシダ★、 ホシダ★、 イブキシダコモチシダシケチシダヘラシダ★、 ナチシケシダ、 ノコギリシダ★、 ホソバノコギリシダオニヒカゲワラビベニシダマルバベニシダトウゴクシダナガバノイタチシダ★、 イノデオオカナワラビ★、 コバノカナワラビ、 リョウメンシダクリハラン★、 イワヒトデ★、 マメヅタ…。 ※★は個体数が多いもの
…確かに40種に迫りそうです。