よく植えられるソメイヨシノは、 ずんぐりとたくましい樹形をしています。
ソメイヨシノがたくさん植えられているので、 サクラというとそういった木を思い浮かべるかもしれませんが、 じつは種類によって様々な樹形の木があります。
サクラ
日本中で春がきたことをつげる木
特徴
木全体に咲く花は日本全国の人に春の到来を教えてくれます。
ソメイヨシノやヤマザクラなどがよく植えられますが他にもたくさんの品種があります。
※ここで紹介する「サクラ」はサクラ属(Cerasus属)の野生種、 栽培品種全体になります。
樹形
葉
葉っぱは、 ギザギザがあります。 葉の付け根の葉柄に蜜を出す腺点があります。 この腺点から蜜を出して蟻を呼び、 自分の身を他の虫から守っていると考えられています。
秋には落葉します。
花
野生種は花びらは5枚ですが、 八重咲や半八重の品種の花には花びらはもっとたくさんあります。
種類によって花の色や形、 花弁の数、 花の数、 大きさはさまざまです。 また葉が出る前に花が咲く種類、 葉が出ると同時に花が咲く種類があります。
咲く時期も春だけではなく秋や冬に咲く種類もあります。
実
初夏にさくらんぼがなります。 食べられますが、 売っているサクランボ(セイヨウミザクラの実)ほど甘くはありません。
木の種類によっては実がなりにくいものもあります。
幹・枝
ソメイヨシノやヤマザクラの樹皮は艶があり横向きの皮目(ひもく=皮の裂けているところ、 空気の通路となる)が目立ちつものが多いです。
ですが種類や木の年齢によって異なります。
冬芽・葉痕
サクラの冬芽は、 がっちりと大きく光沢のあるものが多いです。
たとえばソメイヨシノの冬芽は赤茶色で、 毛が多めなのが特徴です。 葉痕の維管束痕は3つで、 お顔に見えます。
名前の由来
「サクラ」は田の神が山から里に降りてく時によりどころになる木ということで、 「サクラ」の「サ」は田の神、 「クラ」は神座を表すという説があります。
かつてサクラの開花は、 農作業をすすめる時期の目安とされていました。 このような木は農諺木(のうげんぼく)といいます。
関わりが深い生き物
花には蜜を吸いに、 メジロやヒヨドリがよくやって来ます。 スズメは花を摘み取ってから蜜を吸うため、 花にとっては困りもの。
サクラの葉はいろいろな虫が食べるので、 葉は穴だらけ。 芽吹いたばかりの新葉も、 イモムシ・ケムシがねらっています。
夏~秋にはモンクロシャチホコというガの幼虫(毛虫)が葉を食べつくすことがあります。
