しなやかに枝が垂れる樹形が特徴です。
エドヒガンの枝垂れ性が他の野生種のサクラの枝垂れ方より優美なので、シダレザクラといえばエドヒガンのシダレタイプが植えられるのです。
一重咲きは、ソメイヨシノより少し早く咲きます。八重咲きは、ソメイヨシノより少し遅く咲く品種が多いです。

シダレザクラ
優美な姿のサクラ

シダレザクラの特徴
シダレザクラは主にエドヒガンという野生種の枝垂れタイプのサクラを指します。枝が優美にしだれ、葉より花が先に咲きます。
各地に銘木とされる木があります。寿命が長く、中には樹齢1000年を越す木もあります。
公園や庭には八重咲きの品種がよく植えられます。
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以下の情報は、関東地方を基準にしています。エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形
葉
葉はソメイヨシノよりも細長く、先端は細長く尖ります。葉は花が終わった後に伸びます。
花
枝垂れ桜は花が近づいてくるような咲き方になるため人に好まれます。花は一重(花びら五枚)で葉より早く咲きます。
園芸品種には花びらが薄紅色のベニシダレ、八重(15~20枚)のヤエシダレ、ヤエベニシダレがあります。
実
実は黒く熟して苦味があります。
幹
幹や枝の皮目は横ではなくて縦じわになります。さくらの中で横筋がない唯一のタイプです。
冬芽
冬芽の芽鱗には小さくて細かい毛が生えています。
名前の由来
枝がたれるのでシダレザクラの名前がつきました。優美な枝ぶりからイトザクラの別名もあります。
その他の情報
樹齢1000年を超える木もある
シダレザクラは、桜の中では最も長生きなエドヒガンの園芸品種で同じく非常に長生きです。中には樹齢1000年を超える木もあります。
なぜ枝垂れるの?
しだれる性質は植物ホルモンの関係で枝の木質化が遅れることによる変異です。伸びた枝が柔らかいため自らの重みで枝垂れます。しだれた枝はゆっくりと木質化するため、次の年には固くなりますが、下向きになった枝の芽は下に向かって伸びるのです。
日当たりの良い場所で元気
枝垂れ性は周囲の樹木から太陽の光を奪われやすいために、人が意識して日当たりの良い場所に植える必要があります。
シダレザクラの種を育てても枝垂れない??
枝垂れ性は劣勢遺伝のため、枝垂れ性の種子を蒔くと多くが枝がしだれない木になります。植えられている木は接木でふやしたものです。
シダレザクラの見られる場所
執筆協力 : 樹木医 石井誠治