枝が横に広がり笠形になります。 枝先は太く、 いったん下がった枝は再び上を向いて伸びることがあります。
カンザン
花がお茶になる八重桜
特徴
花びらがたくさん付く「八重桜」の中で最も赤味の強い花を咲かせる園芸品種です。 新葉も赤味がかり、 盃形の樹形になりやすい特徴があります。 ヨーロッパやアメリカで人気が高く、 日本の桜の代表として多く植栽されています。 花は塩漬けにして、 お祝いに飲む「桜湯」にも使われます。
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以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。
樹形
葉
長さ6~15㎝程の葉っぱは互生で、 ギザギザの先は細い糸のように伸びます。 新葉は赤茶色です。
花
春、 新葉が開くと同時に、 たくさんの花びらを付けた八重咲で淡い紅色の花が咲きます。 花びらの一枚一枚は少し波打ち、 先っぽは切れ目があります。 2本ある雌しべの下部は葉の様になっていて緑色です。
実
雌しべが葉の様に変わっていて、 実はなりません。
幹・枝
幹の色は黒っぽく、 枝はあずき色で光沢があり、 横に縞ができます。
冬芽・葉痕
太くて上を向いた枝先に、 ぷっくりと濃い赤色の冬芽が集まって付きます。 葉痕は丸みのあるお顔のようで親しみを感じさせます。 濃い褐色と光沢はオオシマザクラ系に見られる特徴です。
人との関わり
明治時代に植えられた「荒川堤の五色桜」でも植えられた記録がありますが、 更に古くから接ぎ木苗で植え継がれてきたと考えられています。
桜湯に使う花びらの塩漬けは、 いきなり塩漬けにすると花びらは茶色になるので、 色を止めるために最初は梅酢に漬けます。
名前の由来
「関山」と書いてカンザンと呼びますが、 学名には「Sekiyama」とセキヤマの表記を含むので、 別名としてセキヤマという説もあります。
その他の情報
世界で人気の園芸品種です。 明治45年にワシントンD.C.に贈られた木は市内に植栽され、 街中で見られます。
性格
接ぎ木や挿し木で人が増やし続けてきた、 かなり古い品種です。 そのため、 枝先には変異の確率が蓄積されていると考えられます。 ソメイヨシノの次くらいに多くの株が作られていることもあり、 時折、 八重の花が咲き終わった後で白っぽい大きな花が咲き、 花の中からまた花が咲く「二段咲き」が見られます。
体験・遊び
花びらの数を数えてみましょう。 薄い花びらは千切れやすいので、 優しくはがして下さい。 一枚一枚並べてみると花びらごとの微妙な色や形の違いも観察できます。
見られる場所
執筆協力 : 石井誠治