ジュウガツザクラ

秋はもちろん!春もちゃんと咲いてます!!

特徴

10月から咲き始めるためジュウガツザクラと呼ばれるサクラです。 野生種のマメザクラとエドヒガンの交雑種でコヒガンと名付けられた品種のひとつです。 秋と春の二季咲性の代表種でもあります。 蕾は紅色、 開花後は白色、 やがて淡い紅色になり散ります。 秋咲く花より春の花のほうが大きく色も濃いですが他の桜より花数が少ないために目立ちません。

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

傘型になります。 マメザクラの系統なので大きくなっても樹高5mくらいと小型のサクラです。

  • 秋から春まで花がまばらに咲くのが特徴
    写真 / 2022.12.6 京都市京都御苑 MayaN

  • 傘状になる樹形
    写真 / 2021.11.7 千葉市緑区昭和の森公園 MayaN

葉は小さくギザギザは凹凸が目立つ重鋸歯のある葉です。

  • 長さ3~5㎝と小さめな葉
    写真 / 2021.11.7 千葉市緑区昭和の森公園 MayaN

  • 二回続けてギザギザになる重鋸歯のある葉
    写真 / 2021.11.7 千葉市緑区昭和の森公園 MayaN

春と秋の二季咲です。 花びらは10~16枚で外側5枚が丸く内側は雄しべが弁化したものです。 蕾は紅色。 開花後は白色。 やがて淡い紅色になり散ります。

  • 春の花。 秋の花より紅色が濃い
    写真 / 石井誠治

  • 春の花。 濃い紅色の蕾が目立つ
    写真 / 石井誠治

  • 開花後は白色で淡い紅色に変わる
    写真 / 2024.10.14 東京都新宿御苑 MayaN

  • 萼も花びらのような形で可愛らしい。 写真は目立たないが少し膨れるのが特徴
    写真 / 2024.10.14 東京都新宿御苑 MayaN

  • 秋の花。 ちらほらと入れ替わり立ち代わり、 春まで長く咲く
    写真 / 石井誠治

  • 秋の花。 花びらは細長い形
    写真 / 石井誠治

たまに結実します。 熟すと黒紫色になります。

  • 未熟な実は赤い
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

幹・枝

若い枝はあずき色をしています。 やがて灰褐色になります。

  • 横長の皮目がある
    写真 / 石井誠治

冬芽・葉痕

尖った芽は葉芽です。 ふくらんでいれば花芽です。 小さくて少し毛があります。

  • よく見ると少し毛がある冬芽
    写真 / 2024.10.14 東京都新宿御苑 MayaN

人との関わり

秋から咲く性質が珍しいため栽培品種として江戸時代から接ぎ木苗で増やされています。

  • 小型のサクラなので家庭の庭など狭い場所でも育てられる
    写真 / 石井誠治

名前の由来

10月から咲き始めるためにジュウガツザクラと呼ばれます。 日蓮の入滅日に咲くため御会式桜(オエシキザクラ)と呼ばれたこともあります。

  • 二季咲きの代表種として育てられてきたサクラ
    写真 / 石井誠治

その他の情報

よく似ているコブクザクラは蕾が白く、 花びらが20枚以上あるので区別できます。

  • コブクザクラの花びらは20枚以上
    写真 / 2011.3.31 東京都江戸川区葛西臨海公園 MasakoT

  • ジュウガツザクラの蕾は紅色。 コブクザクラは蕾が白いので見分けがつく。
    写真 / 石井誠治

性格

マメザクラの影響であまり大きくならず、 枝も細く葉も小さいですが、 秋からまばらに長く咲く花が顔の高さで咲くので、 間近で見られる性質が好まれます。

  • 寒空の下、 健気に咲く美しい花が長く楽しめる
    写真 / 2024.10.14 東京都新宿御苑 MayaN

見られる場所

執筆協力 : 石井誠治