セイヨウスモモ

西洋からやってきた酸っぱい桃

特徴

ヨーロッパから西アジアを原産とする木です。
果実はモモよりも酸味があり表面に毛がないのが特徴です。
昔から果樹栽培され多くの栽培品種があります。 よく店で「プルーン」という名で売られている実は紫色ですが、 それ以外にもいろんな色、 形があります。

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

高さ7~8m程に大きくなる落葉小高木です。 枝数は少な目です。

鈍いギザギザがある互生の葉っぱです。 スモモの葉より小さめで厚く、 光沢があります。 柄の上部にはイボ状の密腺が1対あります。

  • 長さ5~12㎝、 柄の長さ1~3㎝の葉っぱ。 裏は脈沿いに毛が多い
    写真 / 2023.6.8 千葉市都市緑化植物園 MayaN

春、 葉が開くと同時か少し遅れて白い花が咲きます。 1個の花芽から3つの花が咲き、 枝全体が花束のように見えることから「花束状短果枝」と呼ばれます。

  • 花の柄は2㎝程度。 花びらはふつう5枚
    写真 / 2021.3.26 千葉県松戸市21世紀の森と広場 MasakoT

  • 花が集まって咲き、 枝全体が花束のように見える
    写真 / 2021.3.26 千葉県松戸市21世紀の森と広場 MasakoT

夏から初秋にかけて実がなります。 色、 形などが変化に富み、 外観も多色で同じ種類とは思えないほど変異が大きいです。
干果にされるプルーン、 果皮が緑色で生食されるグリーンゲイジ、 果皮が黄白色のイエローエッグなどのグループに分けられます。

  • 色や形は様々
    写真 / 2023.6.8 千葉市都市緑化植物園 MayaN

  • 青紫色の種類の熟した実とタネ。 実にはモモのような毛は無い
    写真 / 2024.9.30 東京都西東京市 ReikoS

  • タネには不明瞭な凸凹や溝がある
    写真 / 2024.9.30 東京都西東京市 ReikoS

幹・枝

灰色がかった樹皮で老木になると細くささくれます。

  • ささくれだった幹肌
    写真 / 2023.6.8 千葉市都市緑化植物園 MayaN

冬芽・葉痕

膨れ始めた花芽。 1個の花芽から3つの花が咲きます。

  • 1つの花芽からぷくぷくぷくと3つの蕾が出てくる
    写真 / 2021.3.11 千葉県松戸市21世紀の森と広場 MasakoT

人との関わり

ヨーロッパでは古くから栽培されてきた馴染み深い果樹です。 種小名「 domestica」も「栽培されている」を意味します。
日本には明治初年に渡来したといわれています。 寒地で果樹栽培され品種が多いです。 稀に庭木としても使われます。 一部の果汁が少ない品種は乾燥させてドライプルーンとして食されてきました。

  • 鉄やビタミンなどを含んだ栄養価の高い実として栽培されてきた
    写真 / 2023.6.8 千葉市都市緑化植物園 MayaN

名前の由来

ヨーロッパ原産のスモモなのでセイヨウスモモといわれます。 最近はヨーロッパスモモやプルーンとも呼ばれます。 「スモモ」は桃より酸味が強いから「酸桃」の意味に由るとも、 実に毛が無いので「素桃」の意味に由るともいわれます。

  • 酸味や毛のない実であることが名の由来
    写真 / 2023.6.8 千葉市都市緑化植物園 MayaN

その他の情報

セイヨウスモモの起源には諸説あるが、 現在はスピノサスモモとミロバランスモモの雑種だと推定されています。

  • 染色体の数がスモモ2n=16に対して2n=48と多い
    写真 / 2023.6.8 千葉市都市緑化植物園 MayaN

体験・遊び

たくさんあるスモモの仲間の品種を食べ比べしてみよう!色や形はもちろん、 味や食感の違いも比べてみてください。

  • 左は北海道産のプルーン。 右は山形すもものサンセプト
    写真 / 2024.9.30 東京都西東京市 ReikoS

  • タネのサイズが大きく違う
    写真 / 2024.9.30 東京都西東京市 ReikoS

関わりが深い生き物

花にはハチなどいろいろな昆虫がやって来て、 受粉の手伝いをします。
おいしい実はヒヨドリたちの野鳥がねらっています。 夜はアケビコノハというガが実の汁を吸いに訪れます。

見られる場所