エドヒガン

彼岸の頃に咲く長寿のサクラ

特徴

春、 東京では彼岸の頃に咲くサクラです。 花の付け根にある「がく筒」がくびれる特徴があり、 蕾がヒョウタンのように見えるので瓢箪桜ともいわれます。
サクラの野生種の中で最も長寿なので、 各地に記念樹や天然記念物になる巨樹があり、 「日本三大桜」はいづれもエドヒガンです。

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以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

成長は遅目ですが高さ20mほどの大木に成長します。 枝は斜め上に伸びていき、 丸い樹形となります。 優美に枝垂れる栽培品種も大木となります。

  • 大木になるサクラ。 春の満開の時期は目立つ
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

  • 枝垂れるタイプで日本三大桜の一つ「三春滝桜」
    写真 / 福島県三春町 石井誠治

  • 斜上する枝は端正な樹形をつくる
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

全体的に細長く、 12~15対と側脈が多い葉っぱです。 先端はとがるように伸び、 特にヤエベニシダレという品種の葉先は細長くとがります。

  • 互生で、 密腺は葉の下部か根元にある
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

  • 淡い緑色で脈上に毛が多い
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

春、 葉が出る前に淡いピンク色~白色の花が咲きます。 紅紫色のがく筒の下部は丸くふくらみ、 壺のような形をしています。

  • がく筒がくびれて蕾がヒョウタンのように見えるので瓢箪桜ともいわれる
    写真 / 2022.4.11 岐阜県本巣市根尾谷・淡墨公園 石井誠治

  • 直径3cmくらいの小ぶりの花(写真はヤエベニシダレの花)
    写真 / 2021.3.24 千葉市花島公園 MayaN

  • 3~4本程度まとまって咲く
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

  • がく筒、 花柄に細かい毛がある
    写真 / 2022.3.29 千葉県船橋市 MayaN

  • 日本五大桜または三大巨桜の一つ「淡墨桜」の蕾。 各地に子孫樹が植樹されている
    写真 / 2022.4.11 岐阜県本巣市根尾谷・淡墨公園 石井誠治

丸い実は赤くなった後に黒く熟して苦味が残ります。

  • 味はともかく、 小さくて可愛らしいサクランボがなる
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

幹・枝

サクラの仲間は幹肌に横方向の縞模様が出来る木が多いですが、 エドヒガンの樹皮は縦に裂けてサクラらしくありません。

  • 灰褐色で不規則に縦に浅く裂ける
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

冬芽・葉痕

芽鱗には白っぽい細かい毛が多く生えます。
半円形の葉痕にはお顔があります。

  • 花が咲いていなくても楽しめる葉痕のお顔。
    写真 / 2024.1.26 東京都新宿区 Tamacha

  • 枝先より下の芽が、 枝に寄り添ってつくのが特徴。
    写真 / 2024.1.26 東京都新宿区 Tamacha

人との関わり

花は小型ですが葉より早く咲くため神社仏閣や公園などに植栽されてきました。 特に枝垂れる品種は「枝垂れ桜」「糸桜」と呼ばれ、 花の時期の優美な樹姿が好んで植えられます。

  • 写真 / 2013年4月 山形県上山市 永幡嘉之

名前の由来

江戸と呼ばれた東京で彼岸の頃に開花したことに由ります。
蕾がヒョウタンのように見えるので瓢箪桜と呼ばれたりします。 また花や葉の柄、 蕾に細かい毛が生えて白っぽく見えるために姥彼岸(うばひがん)とも呼ばれます。

関わりが深い生き物

花には、 メジロやヒヨドリなどが蜜を吸いにやって来ます。 赤くなった実は鳥たちのご馳走です。
桜の葉はいろいろな虫が食べるので、 葉は穴だらけになります。